4.儲けを生み出す数字

飲食店の計数管理

売上とは?客数×客単価です

売上=客数×客単価

なのです

薄利多売の店、(客単価の低い店)は客数を求めます。

客単価の高い店は立地に恵まれない限り広い商圏を求めます。

成功のためには

・ターゲットの客層
・立地
・商圏
を加味した上で業種(和食、洋食、中華、居酒屋)
業態
和食なら(割烹、寿司、回転寿司、和風ファミレス、食堂)
洋食なら(フレンチ、イタリアン、ステーキハウス、カフェレストラン)

中華なら(中華料理店、ラーメン店、四川料理、北京料理)

ランチ中心、テイクアウト中心、ディナー中心

家族で、会社で、カップルで、接待で、お祝いで、日常的に、特別な時になど想定顧客とその需要を決めて出店します。

事前調査を行い需要予測した上でお店を設計すれば失敗するリスクは少なくなります。

又ターゲットに見合った営業戦略も立てやすくなりますので売上構成要素は大切なのです。

 

 

 

 

個人店では客席回転率なんていらない

いわゆる飲食店コンサルタントや飲食企業では客席回転率の数値を好んで使用します。

これは、店舗の規模をどれだけ経営に生かしているかとの1つの指標で繁盛のバロメーターだからです。

しかし小規模飲食店は、結果(利益)が全てですので客席回転率などの指標は不要です。

客席回転率を計算している暇があるのなら、掃除しろっ!

その方がよっぽど繁盛店に近づきます。

 

客席回転率とは

と言うものの知識として客席回転率の計算方法と数値から解ることを書きます。

回転率に必要なデータ


客席数(単純にイスの数です)満席時に収容できる人数です。この数字は改装しない限り変わりません。
客数(食事をして会計をした人数です)
1時間刻みで集計する方が利用価値が高いです。
客席回転数客数÷客席数です

70席のお店に120人のお客様が来店したら

120÷701.71回転になります

客席回転数の目標数値は損益分岐点で導かれた売上予算を

客単価で割って目標客数を導き出し客席数で割って導き出します。

ただこの数値は目安なんです。
なぜならお店には色々な大きさのテーブルがあります

 

普通2人、4人、6人掛けのテーブルを配置してあると思いますが、ぴったりの人数で利用することの方が珍しいはずです

4人掛けのテーブルに2名、2名掛けのテーブルに1名

こんな場合が多いでしょう。

だから、客席回転率で2回転したとしたら実際はテーブルが2.8回使われていることが分かります。

このテーブルの埋まる率を稼働率と言う場合もあります。通常のテーブル稼働率は70%と言われています。
強引に相席でお客様を案内して稼働率を高めているお店も

たまに見かけますが、どうなんでしょうか?
私は相席のお店には行きませんね。

このように客席回転率も計数の一つで予算組や営業状態の把握に利用する数値です。

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時は金なり、時間の管理で利益増大

 

1、営業時間の管理
・営業時間はお客様との約束です(公約)理由の告知無く早仕舞いしているとお客様からの信用を失くしお客様が減ってしまいます。
・逆に、客足が途切れず閉店時間を迎えてしまった時は、可能な限り延長しましょう。
年に数回の頻度ですが、売上を伸ばすチャンスです。
2、提供時間の管理
・ランチなら12時~14時 夕食なら18時~20時のそれぞれ2時間が
飲食店のピークタイムです、その時間を過ぎるとお客様の来店が激減します。
ピーク時間内の料理提供時間を短縮すれば
・お待たせしない評判でリピーターが増えます。
・多くのお客様を捌けるので売上が増えます。
3、労働時間の管理
・時給制のスタッフさんの勤務時間の管理
・シフトで組んだ予定時間と実際の勤務時間は一致していますか?
管理していないと一人1回の勤務で15~30分オーバーしているはずです
1日3名のスタッフを1ヶ月25日間雇用した場合
3×25×0.5時間×1000円(時給)=37500円予算超過してしまいます。37500円利益を得るためには原価率30%の店で
125000円の売上が必要です。
スタッフの人数が増えれば比例して増加します。逆に予測が外れて暇だった時
は収入が大幅に減らない程度(30~60分程度)スタッフにお願いして早めに上がって頂く事や台風の直撃で来客が見込めない時は通勤時の安全を考慮して出勤不要の連絡をして休んで頂くなどのコントロールをします。

これらのように、時間に対して意識を高める事は利益増に結びつきます。

 

 

節約とケチは違います、節約のつもりが売り上げ減に繋がる事もあります

節約というと電気料金から手を付けることが多いですがどこの電気を節約していますか?

使用していないバックヤードの照明
使用していないスタッフ用の更衣室、スタッフ用トイレの照明
閉店後の便座ヒーター、空調、看板の照明
これらは節約なので徹底するべきものです。
・雨の日の看板照明を点けない(営業中のサインなので視認性が落ちたら直に点灯
・営業時間内の空調の停止、不必要な設定温度の上げ下げ(エコ温度は快適な温度とは言えず節電効果も少ない
これはつい節約のつもりでやってしまい勝ちですが、デメリットが多いのでやめましょう。

ちりも積もれば山となる、商売に必要な金銭感覚とは

飲食店を経営して行くためにはどんなに小さなお店でも1日30名のお客様が必要です。年間約1万名です。中規模店や繁盛店になると年間35000名とか数万名単位のお客様が来店します。一人のお客様に使う経費で例えば、おしぼり、食材費、などそれぞれ10円変化したとします。

20円×10000=20万円

20円×35000=70万円

たった10円の違いが、こんなに大きな金額になります。

普段の生活で10円にこだわる人はあまりいないでしょうが

商売となると話は別です。年間で考えると小さな差が大きな金額に

なりますシビアな金銭感覚を身につけましょう商売人の心得です。

私が料理長をしていた時には取引業者さんとの価格交渉で数円単位で攻防していました。7店舗経営していましたのでランチだけでも年間13万食ありましたので3円変わると社員一人の月給くらいの差になったからです。

まさに塵も積もれば山になるですね

 

 

損益分岐点をご存知?

 

 

商売は

売上-支出=利益ですね。

この利益が±0になる時の売上金額を損益分岐点売上金額と言います

細かい計算方法を説明するとややこしくなりますので

ザックリと簡単に説明します。

支出を大雑把に

・家賃
・光熱費
・食材費
人件費
・雑費
としてこれらの合計金額のことです。
つまり損益分岐点金額を超えた分が利益になり不足分は赤字になります。

売上予算を組む時には損益分岐点+目標利益額で金額を算出します。

一ヶ月にかかった支出を営業日数で割れば1日あたりの損益分岐点金額
を算出できその金額が毎日の最低目標売上になります。

大雑把ですがこの金額を覚えていればシフトや仕入れ量の参考にできるばかりか経営状態の把握もできます。
損益分岐点金額を割り込む日が多いのは赤字が増えるということなので経営は悪化していると判断できます。

 

 

出来る人は知っている、人件費と売上の意外な関係

人件費は固定費だっ!とお考えの方もいらっしゃると思いますが
飲食店の場合、月給制の社員さんのお給料は固定費
時給制のスタッフさんは変動費との考え方がよいのではないでしょうか。

人件費は売上に比例して増加する考えが一般的ですがそれは少々荒っぽい考え方だと思います。

なぜならば売上が0の時でも人件費は発生しますし、理論通りのきれいな比例グラフにはならないからです。

人件費は下の図のような動きをします。※月間平均売上です。

売上が00~100万円は1人で回せるので1人分の人件費
100万円を超えると1人では回らないので300万円までは2人分の人件費
300~400万円は3人
400~500万円は4人という具合に売上をゾーンで考えます。

よく見てみると人件費効率が良い部分があります。それぞれの人数の右端部分で、その人数で回せる最大売上の部分です。

働くスタッフは大変でしょうがここの人数を増やす境目前後売上がポイントです。

出来る管理者はここの最大売上を目指します、そしてスタッフを労いながら鼓舞して次の売上ステージを目指します。
月商100万⇒300万⇒400万⇒500万のようにです。

それぞれの売上ゾーンの左側は効率が悪い部分なので、売上対策
清掃、DM作成、販促企画などに時間と労働力を使います。

 

 

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