ABC分析の集計手順と項目の意味を解説します
商品集計の手順
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月間の販売数を商品毎に集計し、販売数の多い商品から順に並べます。
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販売数を総販売数で割り構成率を算出します
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上位から順に構成率を足します
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全体の 75%までをA部門
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75%~ 95%までをB部門
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95%~100%までをC部門
として位置付けします。
販売数を基準に集計していますので、各部門の解釈は
この様になります。
A部門は、お客様に支持されている商品群です。
この部門の商品はお店の顔と言っても良いでしょう。
A部門の商品がお店の、あらゆる数値に大きく影響します
安易にいじると致命傷にもなりかねません。
B部門は、装飾品のような役割を担う商品群です。
C部門は、経営上殆ど影響しない商品群です。
・ならば廃止してしまえと、お思いになる方もいらっしゃるでしょうが、販売数に占める割合ですので、廃止しても又、下位5%の商品がC部門になります。
・同じ販売数が少ないのであれば、思い切ってマニア向けの商品を
戦略的に開発してみてはいかがでしょうか?
・激辛メニュー
・特大盛りメニュー
・豪華高額メニュー
・珍メニュー
などなど、売れれば儲け物と言う位の感覚で、遊び心で作った商品をC部門に持ってくれば、おもしろいメニュー作りが出来ます。
ここからヒット商品が出てしまうかも知れません。
但し、メニュー開発の前提として、売れなくてもロスが出ないようにするのが絶対条件になります。
何故なら、元々下位5%の商品群なのですから。
ABC各部門の意味は理解して頂けましたでしょうか?
ABC分析後の問題点の洗い出しとその改善策です。
ABC分析で各部門の性格を把握したら
次に、問題点の洗い出しとその改善策を考えます。
A部門にどの商品があるのか見ます。
そして、その商品の性格や対象客をレシピを見てチェックします。
ポイントは、原価率、作業性、お客様の要望です。
経営上、理想の数字を達成していれば問題ありませんが
原価率の高い(儲からない)商品
作業性の悪い商品(手間が掛かり量産出来ない)など
経営に支障を来たす商品がこのA部門にあった場合には早急に対策する必要があります。
積極的にA部門上位の商品を、魅力的な商品にリニューアルすると
お客様に喜ばれてお店が良い方向に向かうキッカケになります。
ただし、原価率や作業性を考慮しながら商品力を高める工夫をしなければなりません。
喜ばれながら儲ける、これは必修です。
味、盛り付け、食材変更によるボリュームアップなど、
原価をかけずに商品を良くする方法は色々あります。
何れにしても、商品を良く知らなければ効果的な対策は出来ません
なぜ売れているのか?
お客様はその商品の何を支持してくれているのか?
それを知れば、商品開発も平均以上の結果を出せるはずです。
誰に、何を、いくらで、何時食べて頂きたいのか?
これを、コンセプトやポリシーと言います。
A部門の商品を、例にしましたが
販売数と商品の性格を月に一度チェックすれば
など、様々な事がABC分析から読み取れます。
又、B部門に置くべく開発した、サービス商品がA部門に来た時
には内容変更や原価率の見直しをする必要も出てきます。
ABC分析は闇雲に、メニューを開発するのではなく
テーマと商品構成、利益や生産性などの指針になるものです。
商品の販売構成を常にチェックし、思惑どうりの売れ方をしているのか?していないのならどうするのか?
こまめにコントロールする事が、これからの、儲かる飲食店作りの秘訣です。