労務管理とは?
各種労働関係の法令に基き雇用者の(労働時間、休日取得、賃金)管理の総称です。
あくまでも法律に定められた範囲での管理ですので、夫婦、親子などの同居親族だけの経営には労働基準法は適用されません
(労基法第8条)何故なら利益=収入となり仕事の責任や裁量権がすべて自分達にあるからです。
そして、多くの飲食店が出店直後は家族経営を基本にして来たので
その流れのまま他人を雇用しても労働契約を結ばない
と言う誠にお粗末な現象が起きているのも、この業界の特徴です。
私が知る範囲だけでも、
「まだまだ私たちは零細企業ですから。」
「私の店は小さいから、そこまでしなくても・・・」
「家庭的雰囲気を大切にしているから、堅苦しい事はちょっと」
などを理由にあいまいな給料や労働時間、経営者の気分で
他人を雇用しているケースがほとんどです。
ましてや先に述べた飲食店の売上げや仕入れを任せた時点で
従業員にその店の財政状態の把握もかなり正確に推測が可能になるのです。
働く人は誰でも少しでも豊かな生活を望むし将来の生活の事も考えるでしょう。
労務管理のノウハウは労働基準法で定められている労働契約の明示がなされている事を前提として提供するものです。
正社員、パート、アルバイトそれぞれの雇用形態についての労務管理の手法を紹介していこうと思いますが、労働契約書や就業規則が未整備の経営者様はまず作成しましょう。
パート、アルバイトの管理
正社員のみで経営をしている飲食店は皆無と言っても良いでしょうそれだけにパート、アルバイト(以下PA)さん達の存在が飲食店経営に大きく影響し又管理責任者の最も重要な仕事になっています。
飲食店の場合、接客係としてPAを採用する事が多いと思いますが特徴として女性の割合の高さが挙げられます。
それがPA管理をより難しい物にしていると私は考えています。
男女差別とか女性蔑視とかのお叱りを受けますので、あくまでも私の店長時代の体験談としてPAを語りたいと思います。
・うわさ話が大好きです。
・おしゃべりです。(勤務中のムダ話)
・グループを作りたがります。
・影のリーダーが居ます。(良い意味ではない)
・表裏がある(責任者が居る時と居ない時)
・ハウスルールを守らない。
・権利ばかりを主張する。(義務を果たしていない人に多い)
・お客様になれなれしくする事をサービスだと勘違いしている
。・常連さんに過剰サービスをする。
・時間にルーズ。
・仕事と言う意識が薄い(社交場と思っている)
・真面目に働くPAに嫌味を言う。
まだまだ、ありますがこれ位で。。。。
悪い例ばかりを書き立てたようですが何店舗で同じ体験をした事か・・・
、実際に今この様な事でお悩みの方もおられるでしょう。
しかし、私は経験を通じて対応策を考えて実践し成果も出しました。
・まず新人PAを採用した最初の1週間で、躾けを徹底的にする。
これ以外と出来て居ないのです。仕事は後からでも教育出来ますが、躾けは最初が肝心なのです。大人なのだから常識だと言う考えは捨てて下さい。自分にとって常識でもPAに来る人達にとっては常識では無い場合が多いのです(何故ならPAだからです)
従業員のやる気を引き出すには?
従業員のモチベーションが上がらないと嘆いている飲食店ではハウスルール、作業マニュアル、勤務評定、賃金評価基準などが無い又はあいまいになっているケースがほとんどです。
これらは、仕事を客観的に捉える事や競争心理、収入増など従業員のやる気を引き出す重要な事です。
経営者、従業員共にギブ&テイクの精神を忘れてはなりません。
又、基準を明確にする事によりモラルや業務水準の向上も期待できます。
飲食店での適材適所について考えてみる
経営者、責任者の皆様、適材適所と言う言葉をご存知でしょうか?
当然、言葉は知っていると思いますが、それは大企業の話で少人数の飲食店では関係の無い事だと思っていないでしょうか?
でも飲食店でも適材適所の考え方は必要なのです。
PAさんを例に解説してみましょう
各店で様々な方法でPAさんの勤務シフトを作成していると思いますしPAさんの人数もそれなりに多く抱えていると思います
また各個人の勤務可能条件も様々ですし、店側の希望条件に合致するPAさんの数も多くは居ないと思います
勤務シフトを作成する時に、平日と休日、ランチタイムとディナータイム、アイドルタイムなど
忙しさを予想し人員を人数で割り当てているのが普通です。
この人数を割り当てる時に、適材適所の考え方を利用するのです。
同じ3名でも、能力の低い3名と能力の高い3名では仕事を捌けるスピード、クオリティーに差が出てきます。
能力の高い2名と能力の低い4名の総合力で比べた時、能力の高い2名の方がレベルが上なんて言う事もあります
、能力以外に相性も関係します。
店舗の責任者はPAさん個々の能力や性格、相性などを把握し上手に人の組み合わせを考えて勤務シフトを作成するのが最も効率の良い勤務シフトと言えます。
しかし、現実ではそれが出来ている店舗は少なく
能力の低い者同士を組み合わせた勤務シフトを作成しながらいざ店がスムーズに運営出来なくなった時
団体客が一度に来店したとか予想外に来店客数が多かったとか
一時的な偶然の結果として勤務シフト作成者が納得してしまうケースが多くPAさんの不満が水面下で蓄積している事がよくあります。
PAさんや従業員の正確な能力の把握を一般的に人材の棚卸と表現しているのですが、今まで気にせず運営していたお店の方は一度、人材の棚卸をしてみましょう!
適材適所の解説はご理解頂けましたでしょうか。
店舗運営での一番多い悩みが人に関する事だと思います、この組み合わせの理屈も、一つ間違えると能力の高い方からの不満に繋がりますし能力の低い方のモチベーションの低下の原因になる可能性もあります。