飲食店でも料理の基本を見直してみましょう

料理の基本を見直してみませんか?

飲食業のあなた。飲食店の基本は何でしょうか?何を販売しているのか?その根本の話です。

飲食店の商品=料理です。

 

商品を大切にしていますか?接客&サービスに気を取られ過ぎていませんか?

では良い料理の基本を、おさらいしてみましょう。

 

見た目(盛り付け)

 基本的に揚げ物、焼き物はキツネ色、盛り付けはお皿とのバランス、天盛り、三点盛り、色合い、分量のバランス、湯気、水々しさなど

・熱いものは熱く、冷たいものは冷たいままで

 これ中々実践となると難しいのです。特に鉄板を使用しているメニューはジュージューと焼ける時の音も演出上重要な事です。

 

味つけ

濃い味、薄い味と人によって好みは様々ですが旨味を生かせば万人向けの美味しい味になります。

 

コラム味付けの話

あなたは、お客様から料理の味付けに対して、クレームを受けた経験はありますか?

 

特に多いのが、汁物です(スープ、みそ汁、吸い物‥)塩辛い又は味が薄い、と言われます。

当然、提供前に味見をしているはずですが、何故でしょうか?

考えられる原因は2つです。

1、作り手と喫食者の体調の違い

夏の汗をかく時期に多いです

汗をかくと身体の塩分が不足して、塩味を感じにくくなります。

 

暑い厨房で調理をする料理人は、そのせいで塩味を強くする傾向になります

その結果として喫食者から塩辛いと言われてしまうのです。

 

逆に、喫食者が運動量の多い仕事で多く汗をかくと

味を薄く感じ、味が無いと言われます。

 

対策として

調理人は自分の体調をふまえて、舌で感じた味から喫食者に合わせて味付けを微妙に変えます。

本来ならば同じメニューでも喫食者の年齢、性別、好みなどを考慮し、1品1品味付けを変えるのが理想ですが一般的ではありません。

高級店ではそれを行っているところもありますが・・・。

一般的な飲食店では、より多い客層の好みに合わせるのが良いでしょう。

・店の立地が街中にあり、屋内勤務者(女性客も含む)が多い場合は、薄めの味付け。
・店が郊外にあり屋外勤務者が多い場合には、濃い目の味付けが好まれます。

 

2、料理の温度と味の関係

 

温かいスープと冷たいスープ、同じ塩分なら、どちらが塩辛く感じるでしょうか?
実は、冷たい方が塩分をより強く感じるのです。

調理工程の味見をする時と提供時の温度が変化する料理には重要な知識です。(茶碗蒸し、冷製スープ)などが対象です。

ちなみに、甘みは塩と逆の温度による感じ方になります。

 

これらを考慮して、調理すれば味に対するクレームは減少するでしょう。

 

余談ですが30年ほど前までのレストランでは、アイスコーヒーは5月~9月までの夏期限定メニューで、砂糖で甘みを付けて提供していたのです(ミルクは別出しですが)当時は5月の提供開始から7,8月の気温が高くなる時期に合わせて、徐々に甘みを強くして行くように指導されました。これは気温が高い時期に体力が消耗すると、人は糖分を求めると言う生理現象を配慮した、先人の知恵だと思います。

喉ごし感

麺類、デザート系、茶碗蒸し、練り物などは、きめ細かな喉ごしが美味しさの決め手になります。

 

歯ざわり

揚げ物のサクサク感、海苔のぱりぱり感などです。

 

やはり見た目が大切です

これらは、おいしい料理の基本中の基本ですが試食を伴わない飲食店での料理はやはり口に入れる前の見た目でしょう、家庭料理とプロの料理の違いとも言い換える事が出来ると思いますし、お客様がメニューを選択する際の基準や料理が提供された瞬間の評価も見た目で決まります。

料理は五感で食べる物なのです、そして五感を満たす料理をおいしい料理と呼ぶのです。

なたの商品は五感を満たしていますか?今一度見直して下さい。

 

香り、匂い

醤油の焦げる匂い、炭の香り、ハーブやスパイスの香りなど食欲を刺激する良いもの

 

魚醤、アンチョビ、パクチー等の癖があり好みが極端に分かれるもの

 

腐敗臭はあってはならない臭いです。

 

料理以外にも、芳香剤、香水や化粧品、香りの強い花など飲食店にふさわしくない匂いにも気をつけなければいけません。

 

 

 

旬の素材でアピールする

飲食店のメニューで旬の素材を使いアピールすると言うお決まり文句がありますが果たしてどれ位のお客様にその思いが伝わりアピール出来ているでしょうか?旬の素材のお話です。

 

職業で食材を取り扱っている方以外で食材の旬を知っている人がどれ位いるでしょうか?昔と違い今ではハウス栽培、養殖、輸入などで1年中ほとんどの食材を手に入れる事が出来ます。ある意味食材の旬が無くなったとも言える状況です。

提供する側にとっては旬の食材は廉価に手に入り質も良いので積極的に使用したいと考えるのは自然な事です。

季節感の演出効果もあります。

しかし、旬の食材はお客様も家庭で口にしています。

では旬の素材でお客様にアピールするにはどうすれば良いでしょうか?

 

答えは季節の先取りです、フルーツを例にしてみます。
日本人にとって最も季節感を感じる食材の代表がフルーツです、春は桃類。夏はすいか、メロン。秋はぶどう、柿、梨、りんご。冬はみかん、いちご。誰でも季節のフルーツをイメージ出来るでしょう。

これらは旬の初めは高額なので一般家庭の食卓には登場しにくいです
しかし飲食店では高額品でも切り分ける事が出来るので手頃な価格でお客様に提供出来ます。

お客様は初物を口にしたと喜びます。

このテクニックは色々な食材に応用出来ますので是非お試し下さい。

 

他店との差別化

同業態の飲食店数が増えて来ると、飲食店経営者は自店のファンを増やす為に、他店との差別化を意識するようになります。

 

飲食店なので、オリジナルメニューで個性を打ち出したいと考えます。

他店に無い個性的なメニューで自店をアピールし、そのメニュー目当てのお客様を取り込みたいと・・・・・。

 

その考え方に対して否定はしませんが、日本人は保守的なので個性的なメニューを主力商品にするには相当の戦術が必要です。

経験上やはり売上の中心は定番商品です。

個性的なメニューを主力商品にする事が出来たのなら、そのお店は暫くは安泰ですが

すぐ競合店にコピー商品を作られてしまうし、お客様の飽きも考慮しなければなりません。

 

シェフ爺は主力商品は定番メニューで、季節の差込メニューで個性をアピールして行く事をおすすめします。

しかし、何が何でもオリジナルメニューで勝負したいとお考えでしたら、キャンペーン企画など戦術が必要です。

次にサービスで他店との差別化を図りたいとお考えでしたら、まずは実行して見る事です。

そしてお客様の反応を見極め、そのサービスに効果があるのか改善点はないか時間をかけて取り組む事が成功の鍵だと思いますPDCAサイクル

いずれにしても、今日から始めて明日に結果が出るような特効薬はありません。

時間をかけて飽きずに経営に取り組む事が、お店の個性を形成して行くのです。

 

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