食材の安全性と飲食店のリスク管理
むかし輸入食品や食肉の安全性が社会問題になっていた時期があります。
当時廉価な物を求める消費者が悪いとある関係者が言い放った。
提供する側である我々にも、その様な思いが無いわけではないですが
口にしてしまえば、只の開き直りにしか聞こえない。
他の記事でも紹介しましたが、安さは価格だけでは無いのです。
商品価値とは『安全性、鮮度、味、価格』
をトータルに見て判断するべき物なのであって『安かろう悪かろう』
では商品としての価値は無いに等しいし
一部のエゴイスト達のしでかした『ばれなければ』何をしても良いと
悪銭を貪る行為のおかげで真剣に食に関わるすべての人達や消費者の信頼を失墜混乱させた罪はおおきいと思います。
しかし最近の消費者は賢いです
スーパーで購入する時にも産地を気にするようになって来ました。
ネットで『中国 食品 危険』と検索キーワードを入力すると、危険な食品がドッサリと出てきます。
あるサイトで「消費者としてスーパーで購入する時は自衛出来るが
飲食店でこれらの品が提供されていたらお手上げだ。」と記述されていました。
長引く不景気の価格競争で、生き残る為に仕方なくこれらの廉価な食材を使用している飲食店もあります。
スーパーの産地表示が義務付けられたように、飲食業界にも同じ流れがいずれ来る気がします。
平成29年9月1日から新制度はスタートしています。
飲食店では表示義務はありませんが、お客様から聞かれたら答えられるようにしておきましょう。
その時にどうするか?
慌てて輸入食材を国内産に切り替えるだけでは、経営は破綻するでしょう。
当然、原価の上昇に繋がるからです。
何時、その時が来ても即対応できる対策を、今から考えておきましょう。
将来的に仕入れ価格の上昇が予想されるのなら、それに見合った売価にする必要があります。
売価は従業員の給料と同じで、一度下げると(上げると)中々、上げられない(下げれられない)性質を持っています。逆は簡単なのですが・・・。
時間を掛けて、少しずつ食材を切り替えながら、徐々にメニューを差し替えながら高めの売価をつけて行くのが普通のやり方です。
ピンチはチャンスと考え行動する経営者は、消費者が不安になっている今がチャンスと、自主的に使用食材を表示し、安全性をアピールしながら経営改善をしてしまう人もいます。
何れにしても、経営者のセンスと判断力が問われる局面に差し掛かっている事は確かです。