飲食店の原価計算のやり方

ここでは飲食店における原価計算の基本のやり方を説明します

正確な原価率を導くのに大切な事ですので是非マスターしてください

原価率とは売価に占める材料費の割合を%で表したものです。

原価とは料理の材料費です。

一般的に原価をもとにして売価を決めるので原価率の前に原価を算出します。

材料の単位をそろえましょう

原価計算では仕入れレシピ単位揃えるのが原則です。

キログラムkg単位で仕入れて、グラムg単位でレシピに表記してあることも多いです。

原価計算する時には仕入れ単位のキログラムkgにレシピの使用量を変換します。100gなら0.1kg、50gなら0.05kgというようにです。

                                     

特に、間違えやすいのが個数で仕入れした物です。

上の表にあるトマトのように1個単位で仕入れした物は

個々の大きさが違うため重量換算してしまうと

誤差が生じます。

レシピ上の表記もグラムgではなく、

0.5個または1/2個とし、基準単位を変えないことが原則です。

図表にある大葉のように内容量が記載してある品は、

最小使用単位に変換し別表を作成しておくと便利です。

ここにある表では、大葉1枚=6円醤油1ml=0.5円という具合にです。

食材の歩留まり計算が必要なときがあります

歩留まりとは、食材の原形物に対する食用可能な部分の比率です。

つまり、玉ねぎの皮ジャガイモの皮魚の頭や骨内臓皮肉の骨スジ余分な脂など

料理に使用出来ない部分

料理に使用出来る部分比率です。計算が必要な場合はKg(重量)で仕入れた時です。

何故ならば、使用出来ない部分価格に含まれているからです。

この場合1000g/300円で仕入れたとすると、使用可能部800gを300円で仕入れた事となり1000g換算で375円になります。この金額を原価計算時の玉ねぎの単価にする必要があります。

使用可能部と廃棄部の比率を歩留まり率と言い、実際にテストして導き出します

上記の例ですと

800g÷1000g=0.8=80%となり、玉ねぎは歩留まり率80%と表現します。

金額換算する場合は単価300円÷0.8=375のように計算します。

特に、お刺身用の魚やステーキ用の肉などの高額品原木(掃除していない品)重量(Kg)で仕入れた時は必須事項になります。

魚の切り身や掃除してある肉(正肉と言います)は必要ありません。(すでに納入業者が乗せてあります)

管理する時には、人により捌きにムラが出るので基準の歩留まり率を作業基準として設定しておかないと原価率の振れ幅が大きくなります

魚の3枚おろしの場合、中骨に付く身の量で歩留まり率が変化しますから、

歩留まり率○○%以上を確保する技術を作業の熟練度と見なすことが出来ますし

目標値として定めます。

前項の単位でも書きましたが、個数で仕入れた場合には歩留まり率の計算をする必要はありません。

1パイいくらのイカ、一匹いくらの魚などです。原価の算出において仕入れ単位使用単位を変えない原則は不変です

仕入れ単価と使用単価を理解しましょう

仕入れ時と調理に使用する時に、重量が変化する食材があります。その様な食材は原価計算をする場合、使用時の重量を基準に単価を組み込む必要があります、これを使用単価といいます。

主な食材として、乾物類・お米・乾麺などが挙げられます。

商品は分解して組み立てるイメージで考えましょう

商品の原価計算は使用食材を全て行わなければなりません。その為、項目も多く計算も煩雑になってしまいます。

これを解決する為に商品を分解して組み立てるイメージで計算書を作成する方法があります。

  ↑商品のハンバーグは

↑4腫の仕込み品から成り立っています。

この様に仕込み品を種類別に計算しておくことでソースのバリエーションや付け合せの変化などの商品別の計算も容易になります。

また仕込み作業の体系化も出来るメリットがあります。

計量方法あれこれ

原価計算をする時に材料の分量をはからなければいけません。材料には液体、固体、粉末など

様々な形状がありますので計量に適した道具が必要です。

ほぼ調理器具ですので改めて購入する必要はないと思いますが、紹介します。

計量スプーン家庭ではおなじみですがプロはほとんど使用しません。しかし原価計算のための計量には便利です。

ステンレスレードル 30cc,60cc,90cc,120,180cc,360cc,720ccなど柄のところに容量が刻印されています。
1合=180ccが基準になっていて、1/6合=30cc 1/3合=60cc  1/2合=90cc    2合=360cc     4合=720cc という具合になっています。

ステンレス計量カップ 200cc  500cc  1000cc  2000ccあたりをプロはよく使用します。

調理しながら計量してみましょう

レシピのあるメニューなら金額を入れるだけで原価計算できますが、

創作メニューの場合は最初に材料の分量を量りながらレシピを作成しなければ原価計算することが出来ません。

料理人は味付けをする時に味見をしながら目分量で調味料を入れるので

その分量を量るのは手間もかかるし大変な作業ですが原価を計算するための作業なので頑張りましょう。

・調味料は味見をしながら少しずつ投入します。
・こしょうや塩など軽くて量れないものは5人前、10人前を一度に料理して1/10の数値をレシピに記入する。
・調理中に分量を記入する補助の人がいると作業がはかどります。
・仕上がったら出来上がり量も計量します
加熱で水分が蒸発して出来上がり量が調理者によって誤差が出るからです。

原価率を計算してみましょう

多くの飲食店では、このような商品マニュアルを用意しますが
調理場では金額が書いていない物を使用しています。

それは、原価計算のために仕入れ単位で表記してあるので

調理に実用的で無いからです。

0.03kgより30gの方がわかり易いですよね。


金額入りのものは別に作成して事務所で管理することが多いようです。

原価は食材の合計金額です
原価率売価に占める原価の割合で
原価÷売価×100の式で計算します
売価から原価を引いたものが粗利益額です
これらは計数管理の基本ですから覚えましょう。

原価率と売価の意外な関係について

平均的な飲食店の原価率は30%です

1・売価が2000円の商品の原価は600円です(例えばビーフステーキ)

2・売価が200円の商品の原価は60円です(例えばハムエッグ)

この二つの商品に彩としてクレソン1葉(20円)を添えることにしました。

1・ステーキは原価620円で31%

2・ハムエッグは原価80円で40%に跳ね上がります。

このように売価の安い商品ほど原価率は大きくなる傾向にあります。

ですから商品の売価を決める時には、一律30%から逆算するのではなく

売価の安い商品は高めの原価率

売価の高い商品はやや低めの原価率

に設定して平均で30%原価率になるように売価を決めた方が

無理なくお客様に喜ばれる商品開発が出来るでしょう。

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